アキオ店長のジェム日記

【大粒、レアな宝石ルースの直輸入専門店 アリッサ】 店長の黒田章夫です。宝石にまつわる様々な話題を取り上げていきたいと思います。

べりリウム 後日談

2008-02-18-Mon-22:23
2回に渡ってベリリウム拡散処理の現状をザッとお話ししました。
今や、パパラチアサファイアへの加工は、世界的にかなり有名です。

そこで、サファイアに限って言えば、どうやら、最近はイエローサファイアを中心に、出回っているらしいのです。

しかし、わからないのは、ピンクサファイアよりもイエローサファイアの方が、色味の市場価値からしてみれば低いというところなのです。

どうやら、イエローサファイアは意図して造ったものではなく、パパラチアへの色の変化を失敗したものが一気に出回っていると考えた方が自然でしょう。

こういったパパラチア加工のメッカはタイ王国です。サファイアは「ファンシーカラーサファイア」という言葉が示すとおり、トルマリンと同じように、様々な色が存在します。

ブルーサファイアは思ったよりも魔の手は忍び寄っていないようですので、イエロー・オレンジから赤系統のサファイアにはくれぐれも用心が必要のようです。

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<わたしが実際につかまされた、べりリウム処理されたイエローサファイア・・・涙>



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コランダムの悲劇 その2

2008-02-04-Mon-21:25
パパラチア生まれルビー育ち・・・?のベリリウム拡散処理

パパラチアサファイアという宝石をご存知でしょうか?

パパラチアとは蓮の花を意味しますが、蓮の花に似たオレンジとピンクの中間色の非常にビビッドなサファイアを「パパラチアサファイア」と呼ばれます。

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色味は非常に微妙で、上質なインペリアルトパーズにも似たトロンとしたピンクオレンジが特徴的な宝石です。

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<スリランカ産パパラチアサファイアの原石>

このパパラチアサファイア、時には、最高級のセイロン産コーンフラワーブルーサファイアをも上回る評価がされる希少な宝石です。近年、このパパラチアサファイアが注目を集め、価格がさらに高騰しました。

当時マダガスカル産のピンクサファイアが出回り、実験室で宝石を採る?人々は、このマダガスカル産ピンクサファイアに目をつけ、ピンクからパパラチア色を造れないかと考えたわけです。

そこで、登場してきたのが「ベリリウム拡散処理」による色の加工です。

ナチュラル志向の高い日本はもちろんのこと、比較的トリートメントには寛容である諸外国でも、色を直接触るこの「ベリリウム拡散処理」については、非常に悪質な処理として、警戒感を強めています。

実は、わたしもべりリウム拡散処理済み?サファイアを何個か持っています。パパラチアとして買ったわけではなく、オレンジサファイアのつもりだったなのですが、思った以上に流通しているようです。しかし、10倍ルーペ程度の武装では判別は難しそうです。

しかも、べりリウム拡散処理は、追加の鑑別処理になり非常に鑑別料が高価になるという厄介者なのです(涙)。実は、鑑別会社のご好意で、事前に疑いのあるものは、教えていただいております。

<簡単な判別法としては、ファセット単位の色むらには注意!>

そうして最近では、サファイアのみならず、ルビーにまでその魔の手は及んでいます。現在、市場で多く出回っている大粒のルビーのほとんどが、「べりリウム拡散処理」を隠すように、さらにコーティングなどのトリートメント処理されているようです。

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<1.62カラットのルビー>
⇒結果的にべリリウム拡散処理の上に、鉛を含んだガラスコーティング処理されていた(涙)

このように、昔から人気の高い、ルビーやサファイアには、壮絶な「食わせ者」との格闘が現在も続いていて、わたしは勝手に「コランダムの悲劇」と呼んでいます。

くれぐれも、サファイア・ルビー、特にパパラチアサファイアは非常に高価ですから、購入する際には、「ベリリウム拡散処理されていますか?」と積極的に質問し、必要以上に神経質になりましょう!!


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コランダムの悲劇 その1

2008-01-29-Tue-23:46
コランダムといえば、コレクターの方はもちろんのこと、少し天然石を扱ったことのある人でもどんなものかお分かりでしょう。

コランダムの性質を持った代表的な宝石としては、ルビーやサファイアが挙げられます。まあ、ダイヤモンドに次いで市場が大きく、比較的高値で取引されている石のひとつといえるでしょう。

取引量の多い石には、悲劇が付きまといます。どんな悲劇かというと、そう!偽者との追いかけっこに伴う悲劇です。

これらの偽者を許してしまうと、市場が崩壊してしまいます。しかし、この世の中には、本物の石を泥だけになって探す人ばかりではなく、実験室で偽者を一生懸命作り続ける人もたくさんいるのです。

加熱であるか非加熱であるかについては、現在、非加熱のルビー・サファイアはほとんど採れなくなり、その9割は、何らかの加熱処理を施してあるといっても過言ではありません(加熱前のコランダムなど、とても宝石には見えません・・・汗)。

また、同じ加熱といっても、俗にウォーム(warm)と呼ばれている比較的穏やかな加熱処理と、高温で何時間も行う加熱処理とがあります。

わたしがその昔、パリのアンティークショップでバイヤーといっしょにジュエリーを見て回ったときに出合った、非加熱の大粒ブルーサファイアは、それはそれは吸い込まれそうな奥深いブルーをしておりましたが、そんな石は、もはや手に入れることは困難なのです。

したがって、加熱処理されたルビーやサファイアは、もはや業界では当たり前の話しとなっています。現在の市場の問題は、加熱処理した後、どんな色が出現するか・・・なのです。すなわち、宝石を扱う人間は、もはや加熱の向こうにある石の色味に価値を見出す状況になっています。

そんな価値観がコランダムに広がる中、登場したのが加熱の向こうにある色味に執拗に手を伸ばしてくるベリリウム拡散処理」というものです。

次回は、この何だか難しい名の「ベリリウム拡散処理」についてお話ししましょう。



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環境問題は宝石問題・・・?

2008-01-23-Wed-10:20
前々回のメールに書きましたとおり、宝石の販売をしていると、世界の動向が気になります。

良質な宝石が採れる鉱山は、大概、紛争地帯が多いです。しかし、これらの場所に、何の心配もなく通えて、トレードできるようになるためには、当事国の政治、複雑に絡んだ宗教や経済の問題を解決しなければなりません。

また、一方で最近気になることは、災害などで鉱山が水没したり、大規模な天災で鉱夫たちが犠牲になるケースが増えてきていることでしょう。もちろん、災害は人的災害を含めいろいろな背景があることは確かですが、最近の温暖化による異常気象も原因の一旦があるように思えますので、無視するわけにはいきません。

紛争問題の解決には、小さなウェッブショップで協力することはチョット難しいですが、環境問題については、現地のNPO法人などを通じて、少しでも役に立てることがあると思います。

そこで、手始めに、アリッサでは売り上げの一部を、環境保護基金に寄付するつもりです。
また、アリッサで使っている包装物や、今後お客様にお送りするご挨拶状などを、フェアトレードによって輸入した商品に順次入れ替えて行く予定です。

もちろん、わたし、店長アキオ本人も、機会があれば環境保護のボランティア等に積極的に参加していきます。

まだまだ、微力でもどかしい面も多々ありますが、美しく健康的な海から、おいしい魚介類が捕れるように、鉱山のある国の政治経済的、環境的な健全化が、良質な宝石が採れることにつながりますので、少しでも協力できるようにしたいものです。


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今年の抱負など

2008-01-03-Thu-12:01
2008年も3日たち、仕事の準備を始めている方も多いでしょう。

わたしは宝石を販売していますが、今年から原石も扱う予定です。

まだ、お店の準備は整ってはいませんが、扱う原石はだんだんと揃ってきております。

原石といっても様々で、唯の石ころにしか見えないものからそれこそ地球の息吹を感じさせるような荒々しいものまで多種多彩です。

私の場合、やはり宝石そのものの美しさにはこだわりたいので、水晶クラスターやスピネルの原石やエンジェルカットなど、見た目に華やかな石を主に扱いたいと思っています。

また、宝石というものは、単独で産出されず、水晶にガーネットがくっ付いていたり、アクアマリンとモルガナイトがいっしょにあったりと、珍しいものも存在します。

そんな、面白い原石もあったらご紹介したいと思います。


それでは、今年もよろしくお願いいたします。

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